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(霊界の目撃証人 4)
「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション)
エルザ・バーカーによる記録
金澤竹哲・訳
序文(2)
にもかかわらず、私は何年もの間、毎日のように「予知夢」を見続けていて、そのなかには驚くべき予言もあった。そしてそれらの夢の解釈は、後に「Xさん」から与えられた解釈が正しいのだろう。
アメリカから――さんの死を知らせる手紙を受け取った夜、私は「X」氏が誰なのかを教えてくれた友人と一緒だったが、彼女は、もしも彼ができるのなら、再び書かせる気はないかと聞いた。
私は同意したが、それは、自分が関心を持っているというよりも、友人を喜ばせたいと思ったからだ。すると、「私はここにいる、間違いない」で始まるメッセージが私の手を通して届いた。それは突然途切れたり、センテンスの途中で休止し、大文字があったりして、ひどく読みにくい手紙だったが、最初の時と同様、きわめて自動的に綴られた。その力は強くて、翌日には私の右手と腕が利かなくなるほどだった。
「X」と署名された数通の手紙は数週間のうちに自動的に書き上げられた。だが、私は夢中になるどころか、このような形の創作に気が進まなくなったのだが、友人との議論のなかで、もし「X」氏が本当にこの世とコミュニケーションしたいのなら、彼を手助けするのは名誉なことだと納得した。
「X」氏は世間一般の人ではなかった。彼は著名な弁護士であり、年はほぼ70歳で、心底から哲学を愛し、数冊の本を著し、その純粋な理想や情熱は彼の知己であるすべての人にインスピレーションを与えた。彼の家は私の家からは遙かに遠く、彼に会う機会はごく稀でしかなかった。私の記憶している限りでは、私たちは死後の意識について語り合ったことはなかった。
自動書記への強い偏見を乗り越えてゆくにつれて、「X」氏が語るあの世の生活について興味を覚えるようになった。このテーマについて書かれたものは読まなかったし、ベストセラーになった「ジュリアからの手紙」すら読んでいないので、私に先入観はなかった。
メッセージは次々と届いた。しばらく経つと、手と腕の不自由さを感じなくなり、非常に判別しやすいとは言えないものの、文章からも、不規則さが消えていった。
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