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手紙36 空虚な球体(2)

 投稿者:竹哲@らくらく安楽詩の会  投稿日:2019年 8月30日(金)06時29分52秒
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  「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション、著作権フリー)
        エルザ・バーカーによる記録
        金澤竹哲・訳



手紙36 空虚な球体(2)

 しかし、これは地獄の生き物なのか? と君は聞くだろう。そうだ、なぜなら私は彼の心を覗き、苦悩を見たからだ。永遠に(「永遠」は無限という意味だ)、この実体は渇望し続け、けして満たされない。

 そのもののなかにはわずかだが心が残っており、人間らしさをとどめている。時々、自分のおぞましい姿を垣間見ることができるのだ。だが、そのものは逃げ出そうとは思わず、逃亡できないという事実が苦悶を深めている。目には恐怖がある。どんな未来が待ち受けるのか分からない恐怖、さらに大きな苦しみへと引きずられてゆくのではないかという恐怖がある。それは、そのものの姿を構成するアストラル界の粒子が、魂の引力が失われるためにバラバラになってしまう時のことだ。まだ残されている心と、アストラル界の素材でできた神経組織が引きちぎられ、バラバラになってゆく恐怖と苦痛とともに、そのものが消えてしまう時期が近い。

 魂のみが持続の源であり、魂が去ってしまえば、消滅し、分解してしまうからだ。

 
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