新着順:25/5798 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

手紙34 ライオネルの旅立ち(2)

 投稿者:竹哲@らくらく安楽詩の会  投稿日:2019年 8月 7日(水)06時39分47秒
  通報
   ライオネル少年、わたしが会話した霊界の少年そっくりです。

 その子は乗り物が大好きで、霊媒の女性が飛行機に乗ったとき、翼の先端に腰掛けて飛行を楽しんでいたそうです。

 霊界には、邪霊も、浮遊霊もいますから、危険なところへは避けていました。

 ハッチ判事が報告してきたとおりですね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション、著作権フリー)
        エルザ・バーカーによる記録
        金澤竹哲・訳


手紙34 ライオネルの旅立ち(2)


「そうだったな。それで、その先生の話をもう少し聞かせてくれ」
「先生が恋をしてるのは、ぼくの遊び友だちのお兄さんなんだ。ぼくは小さい頃、そのお兄さんを知ってたんだ。お兄さんは、自分の磁石を使わせてくれたし、凧のあげ方も教えてくれたし、機械どう動くのか見せてくれた。お兄さんはエンジニアなんだ」
「そうかい。だったら、大好きな先生が彼と結婚するのは嬉しいだろうね」

 ライオネルは、大きな目をさらに大きくして言った。
「お父さんと別れるのはつらいけど、このチャンスを逃すわけにはいかないよ」
「なんだって!」
「戻るチャンスなんだ。こんなときをずっと待っていたんだ」
「しかし、準備はできてるの?」
「準備って? ぼくはとにかく行きたいんだ」
「私を残したまま?」
「また会えるよ。それに――あっ、そうか!――お父さんが地上に来たときには、ぼくの方が年上になってるんだね」。こう考えると、ライオネルは嬉しくてたまらないようだった。

 私にも人間だったころの気持ちが残っているので、ライオネルが自由意志で行ってしまうのは残念だった。しかし、意志はもともと自由なものなので、ひきとめようと思わなかった。ライオネルは子供のときこの希薄な素材の世界に来た。その後、体が成長するほどの時間はたっていないのだが、見た目は幼くても、心はもう大人なのだ。

「そうだな、今度は私が子供になっているから、おまえに助けてもらうことにしようか」
「それでね」ライオネルは話を続けた。「ヴィクターみたいな人がお父さんだったら、機械について知りたいことは全部――つまり、ヴィクターが知ってる限りのことは全部、教えてもらえると思うんだ。でも、ぼくが大人になったら、ヴィクターの知らないいろんなことを、自分で発見するんだ。パターンの世界でぼくが作ってた小さな機械のこと、覚えてる?」
「ああ」
「地上に戻ったら、あれを本物にするんだ。まあ、いまでもぼくの指から出る電気で動いてるんだからね!」
「しかし、おまえがあれを、鋼材かなにかで、なんらかの物質で作っても、ちゃんと動くかな?」
「もちろんさ。あれはぼくの発明なんだ。ぼく、有名になるよ」
「だが、ほかの人が先に発明したらどうするの?」
「誰かにできるとは思えないけど」

 
》記事一覧表示

新着順:25/5798 《前のページ | 次のページ》
/5798