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手紙33 5つの決意 (1)

 投稿者:世話人の竹哲です  投稿日:2019年 7月31日(水)06時55分32秒
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「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション、著作権フリー)
        エルザ・バーカーによる記録
        金澤竹哲・訳


手紙33 5つの決意 (1)

 私は夜、東洋の宮殿の屋根に立って、星を眺めることがある。きみは焦点を変えることによって霊界を覗けるのだから、私がその逆の方法で濃密な素材の世界を覗けることも、理解できるだろう。そう、その二つは、同じことをただ逆向きにやっているだけなのだ。

 私は東洋の宮殿の屋根に立ち、星をながめていた。あたりには、地上の人間はひとりもいなかった。眠りについた街を見下ろすと、上空から街を見守っている魂の群れや、行き来する使者たちが見えた。一度か二度、その霊の群れのあいだに、生気のない、半ば怯えたような顔が見えたので、眼下の街でだれかが死んだのだとわかった。

 しかし、こちらに来てからは霊はいやというほど見ているので、星を見る方が楽しかった。私は昔から星が好きだったし、いまもそうだ。いつか、もし許可がおりれば、星のことをもっとくわしく知りたいと思う。だが、これらの手紙を書き終わるまで、地球のそばを離れる気はない。木星まで行ってしまったら、遠すぎて書くことができないだろう。ここではたしかに、思考と同じぐらいの速さで移動できるのだが、大々的な遠征に出るのはもう少し先に延ばした方がいいような気がする。
遠くに行ってしまったら、長いこと帰りたくなくなるかもしれないから。

 こうして地上と交信するのは、私にとっては大切なことだ。病気になっていた頃、あの世に行ってもときどき戻って来られるだろうかとは思ったが、こんなことは想像もしなかった。精神のバランスがとれていて、責任感があり、私の実験につきあってくれる勇敢な人など見つからないと思っていた。

 また、訓練された精神の人でなければ、深い催眠状態でないかぎり、その手を借りて文章を書くことはできなかったと思う。ふつうの知性しかもたない人の手は使えない、そういう人は、じゅうぶん受動的になれないからだ。
 だが、心配しなくてよい。君は一般に霊媒と言われるタイプではない、彼らは意志のないただの道具であり、二つの世界の狭間にいて、どんな風が吹いても鳴ってしまう風鳴琴なのだが、きみはそうではない。

 
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