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マザー・テレサの癒し

 投稿者:ちくてつです  投稿日:2019年 7月12日(金)21時21分0秒
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  ◎人を癒やすことの本当の意味

 1993年11月7日号の記事です。

(1)「来年は一緒に行きませんか?」

 夫婦でマザー・テレサの病院を訪ね、2週間のボランティアを体験してきた友人が言った。
 出かけたのは4人だが、1人はインドが初めてだったこともあって、卒倒するような光景に怖じ気づいて脱落。
 結局、前から来ていた知人3人と共に日本人6人のボランティアチームで活動したという。
「私が主にいたのはカリガードの『死を待つ家』でした。日本の感覚でいうと、大変な環境のはずなんですが、患者を世話するシステムに着いてすぐ組み込まれてしまって、それにあまりにも忙しかったので考える暇すらなく、たんたんとただやっただけでした。人はいっぱい死んでゆきましたねぇ。有名な癩病棟も見学しましたが、すさまじかった」

 注;癩病棟=ハンセン病病棟

 報酬はマザー・テレサに祝福され、頭を4回なでられたことだけ。それが得難い体験だったという。

「彼女、体力的にはいつ天に召されてもおかしくないんです。ミサのとき、体がガクッとなっていました。マラリアから何からやってますし、心臓も悪いんです。残された時間は少ないと感じましたね」

(2)巡回マザー・テレサとでも呼びたくなる不思議な女性に出合った。1919年の生まれ。戦前の東女を出た今年75歳になる熟女だ。しかし、素顔は、しなやかでタフな肉体と強くやさしい心をもった生まれつきのヒーラーだった。日本有数のカイロプラクターが初対面で、彼女を見ただけで、「あなたは心霊治療ができるはずだ。私を治してほしい」と依頼したくらいの女性。電話で聞けば、30代の、しかも並々ならぬ波動をもった霊能者の声が聞こえてくる。

 彼女は、立派に主婦業をこなし、子供は3人育てたし、新聞記者の夫は死ぬまで母親のように世話をした。そうしながら、人を治してきたのだ。多芸多趣味なのに、人に触ってエネルギーをあげないと手足が痺れてしまうのだという。若い頃に、これは天から授かった才能だと諦め、奉仕を楽しむようになったという。半世紀以上にわたり、著名人から市井の人まで、全国各地でヒーリングを与えてきた。

「体のどこが悪いかは、私自身の体に、次の日、まったく同じ痛みが現われるので、よくわかります」

 悪い部分へ自然の治癒エネルギーを注ぎ、固くなった細胞をもみほぐしてあげる。すると細胞は、元の場所へ戻ろうと動き始めるのだという。それが始まった瞬間が、本当に嬉しいと微笑む。

「感謝してくれない人や薬をいっぱい飲んでいる人はやってあげても辛いわね。薬の害は、全部、私の体が吸い取ってしまうので、本当に辛いんですよ」

 睡眠薬を飲み過ぎて神経がおかしくなっていた、ある大物大使を治療したときは、何度やってあげても言うことを聞かず薬を飲んでしまうので、「もうあなたのことは治せない」と、頭に触りながら、宣告した途端、目から涙が一滴落ちて、大使の顔に当たったそうだ。「そうしたら、大使が目を開けて、『ぼくもう飲まないよ』って言ってくれた。それから良くなったのよ」。

 後日、治ったお礼に何でもあげると言われ、高価な絵は悪いからと地味な作品を「この絵を見ながらあなたを治療してきたから、これがほしいわ」と貰ったら、それは大使が外務省に入りたての頃、赴任した先で、先輩の故吉田茂から贈られたものだった。マザー・テレサは至るところにいる。われわれが気づかないだけなのだ。


 
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