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手紙31 天空の数学的難問(1)

 投稿者:世話人の竹哲です  投稿日:2019年 6月30日(日)07時50分38秒
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  「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション、著作権フリー)
        エルザ・バーカーによる記録
        金澤竹哲・訳




手紙31 天空の数学的難問(1)

 君が時々感じている私の生き生きした状態から、私の生活の激しさがわかると思う。私は墓石の露を滴らせた青白い幽霊ではない。私は実在しており、かなり健康だ――そんな風に思えるのだ――地上を歩いていた頃のいくぶん不健康な状態と比べてだが。ぞっとするような幽霊は、地上に戻っても、私のようにしゃべりはしない。幽霊を見たり、声を聞いた人に尋ねてごらん。

 君が「もうひとつの世界」との会話からなるべく遠ざかっているのは良いことだ。もし君が私のことを恐れているなら、驚くべきだ。

 だが、君のように私の存在を感知して恐れる人がいる。ある夜、私は友人の部屋の扉を叩き、歓迎してもらえると半ば思っていた。彼は驚いてベッドから飛び出し、またベッドへ潜り込み、毛布を引き上げて頭を覆った。彼は本当に、それが私だと恐れたのだ! だから、私は彼が心臓麻痺を起こしたり、「一晩で白髪になった」と古い歌にあるようなショックを与えたくないので、静かに立ち去った。翌日、彼は間違いなく、羽目板の裏にネズミがいたのだと自分に言い聞かせたに違いない。

 しかし君が私を恐れるなら、情けない。君は物事を良く知っているからね。大半の人はそうではない。時々君のところへ来て、話をするのは本当に楽しい。「旧友ほど良いものはない」わけだし、シルフや霊との交流は、私の知人や愛した者たちが全員私に背を向けたとしても、さほど満足できるものではない。シルフと言えば、昨夜師に会ったので、例のフランスの魔術師が本当に約束を守り、大気の精の友達を助けて地上で女として転生できる魂にしてやれるかどうかを尋ねてみた。彼の返事は「否」だった。もちろん理由を聞いたのだが、彼の答えは、元素の存在、あるいは元素のなかに生きている力のまとまりと私たちが呼ぶ存在は、この生のサイクルでは、元素から抜け出して人間になることはできない、だった。「永遠にできないのですか?」と私は聞いた。「それはわからない」と彼は答えた。「だが、地球の周りにいるすべての、あまり進化していない者たちは、人間の方向へ近づこうとしている。彼らがいつの日にか到達するのが人間の段階なのだが、それはこの生のサイクルではない」

 
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