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手紙23 被告のための弁論趣意書(後半)

 投稿者:世話人の竹哲です  投稿日:2019年 3月30日(土)08時00分44秒
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  「生きている死者からの手紙」(1914年の出版、ノンフィクション、著作権フリー)
        エルザ・バーカーによる記録
        金澤竹哲・訳



手紙23 被告のための弁論趣意書(後半)
(訳者注、ハッチ判事は自分を被告と見立てて、法律家らしく弁論をおこなっています)


 友人に伝えなさい。私は子供ではないし、無分別な実験をする人間ではないと。地上での前の人生のみならず、多くの前世でも、私は高度な科学の生徒であり、全身全霊で真実の探求に努めてきた。私は決してふざけて誰かを使い、彼や彼女を傷つけたことはないし、真実の友であり生徒である君に対してもそうするつもりはない。
 そして君の人生や研究、仕事を邪魔する気もない。そんなことはナンセンスだ。地上を二本の足で歩いていた時も、私は危険な男だとは決して思われなかった。服を変えて、軽いスーツを着ているからといっても、私の性格はまったく変わっていない。
 私は世の中に言いたいことがあるのだ。当面は、君が唯一の筆記者だ。このことは、私の落ち度でも君の落ち度でもない。問題は、私が手紙を書きたいと望むことや、君がそれを書きたいということではなく、手紙が世の中に役に立つかどうかということだ。私は役に立つと思う。君もそうだろう。B――氏は、手紙は非常に価値があり、ユニークだと考えている。誰かさんと誰かさんは疑い、恐れている。それは私にも君にもどうすることもできないことだ。
 彼らに祝福あれ! 彼らはなぜ、私をドアから締めだすように鍵をかけるのだろう? 彼らの仕事をこちら側からしてあげたりはしない。彼らは仕事にふさわしい能力があるのだし、でなければ職を失うだけだ。私が行なっている仕事はかなり変わったもので、君は親切にも助力することに同意してくれた。
 君が得る報酬は少ないかもしれない。知恵者は頭を振り、自分の方が物知りだと微笑むかもしれないし、科学に詳しいと自負する者は、私は君自身の「潜在意識」だとほのめかすかもしれない。私はそんな仮説には腹が立たないし、君もそうだろう。
 君が心配していないのは当然だ。でなければ私は書くことができない。君の心が風のない湖面のように穏やかでなければ、私はまったく書くことができない。
 彼らに愛していると伝えてほしい。
 
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